型枠工事いろは
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ラワン合板の曲げ強度

型枠のせき板で頻繁に用いられるラワン合板は、コンクリートを入れたことによる側圧等に耐える強さが要求されます。そこで、使用するラワン合板の曲げ強度を把握しておくことが大切です。

ラワン合板の曲げ強度

ラワン合板の曲げ強度は、日本建築学会が販売している鋼構造設計基準に、実験された結果が記載されています。その中から主なものを抜粋すると、次の通りです。

公称厚さ[mm]水分条件曲げ強度[kN/mm2]
90°
12気乾53.328.0
多湿41.224.0
15気乾44.333.3
多湿31.622.5
18気乾46.733.8
多湿35.626.6

解説

曲げ強度は、数値の大きなものが強いです。公称厚さが厚いほど強度が強いことがわかります。

公称厚さとは、メーカーに発注するときの厚さ指定のことです。届いたラワン合板の厚さは許容寸法があるので、ラワン合板の全面が均一な厚さとは限りません。そこで、「交渉厚さ」という呼び方をします。別名、「呼び厚さ」ともいいます。

曲げ強さは、水分条件によっても異なります。ラワン合板で型枠を設置して、コンクリートを入れると湿気ます。すると、強度が落ちます。もちろん、曲げ強さは、水分を含んで強度が落ちたときの状態で計算すべきです。

曲げ強さの0°とは、長手方向の曲げ強さです。90°とは、短手方向の曲げ強さです。ラワン合板は長方形をしているので、長手方向と短手方向の曲げ強度を考慮します。ラワン合板の材質が木ですから、木目のようなものがあります。そのため、0°と90°で曲げ強度が異なります。