型枠工事いろは
COLUMN

コンクリートの側圧の要因

コンクリートが型枠に加える側圧の大きさは、打ち込み速さ、コンシステンシー、コンクリートの単位容積重量、コンクリートの温度や気温、せき板表面の滑らかさ、せき板の透水性や漏水性、せき板の水平断面、バイブレータの使用、鉄骨や鉄筋の量に影響します。

コンクリートの打ち込み速さ

コンクリートの打ち込み速さとは、コンクリートをどれだけ速く注入するかです。当然ながら、コンクリートをゆっくり入れた方が型枠に加わる側圧が小さくなります。

コンシステンシー

コンシステンシーとは、コンクリートの柔らかさです。コンクリートが柔らかいと、コンクリートの内部摩擦角、つまりせん断の抵抗値が小さくなり、液体に近くなるので、型枠に加わる側圧が大きくなります。

コンクリートの単位容積重量

コンクリートの単位容積当たりの重量です。この値が大きくなると、同じ体積のコンクリートでも重たくなるので、その分だけ型枠の側圧が大きくなります。

コンクリートの温度や気温

コンクリートの固まりやすさに影響するのが、コンクリートの温度と気温です。コンクリートの温度や気温が高いと、コンクリートが固まりやすいので、側圧が小さくなる傾向があります。

せき板表面の滑らかさ

せき板の表面が滑らかだと、コンクリートと型枠の表面の摩擦が小さくなり、コンクリートが液体に近い状態になります。その分だけコンクリートの最大側圧が大きくなります。

せき板の透水性や漏水性

せき板がベニヤ板だと、水を通す性質があります。水を通すことによって側圧が小さくなります。

せき板の水平断面

柱や厚い壁などの型枠では、縦方向のアーチ作用が低下してしまい、最大側圧が大きくなる傾向があります。

バイブレータの使用

バイブレータとは、固まっていないコンクリートの中に振動するホースを差し込み、振動を与えることによって、コンクリートの気泡を追い出して、コンクリートの強度を高める方法です。バイブレータを使用すると、内部摩擦角が液体圧近くまで減少するため、側圧が大きくなります。

鉄骨や鉄筋の量

鉄骨や鉄筋の量が多いと、上部から下部に伝わる圧量を妨げる働きがあり、その分だけ側圧が下がります。設備用配管があっても同様です。