型枠工事いろは
COLUMN
鉄筋とコンクリートの組み合わせ
鉄筋は引っ張りに強く圧迫に弱い。コンクリートは逆に圧迫に強く引っ張りに弱い。その2つを組み合わせた鉄筋コンクリートは、両方の強さを兼ね備えるので、大きな建物の構造物に最適です。
鉄筋とコンクリートの性質
鉄筋コンクリートとは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた躯体です。鉄筋はしなやかな材料で、引っ張りに強いのですが、圧迫するとグニャっと曲がってしまいます。その逆にコンクリートは、圧迫に強いのですが、引っ張り荷重を受けると折れてしまいます。
「コンクリートが引っ張られることはあるのかな」と思われた方も多いかもしれません。コンクリートが引っ張られる場面が想像しにくいので、それもそのはずです。しかし、コンクリートが引っ張られる場面は、多々あります。それは「梁」です。
梁は等分布荷重がかかり、たわみます。たわんだ箇所の下側は引っ張り荷重が働き、上側は圧迫の荷重がかかります。つまり、コンクリートを梁に使用すると、中央部分でクラックが入り、折れてしまいます。
ギリシャのパルテノン神殿を思い出してください。柱は残っているのですが、梁はほとんど折れて落ちてしまっています。石もコンクリートと同様に、圧迫に強いのですが、引っ張りに弱いのです。
鉄筋とコンクリートを組み合わせると
鉄筋コンクリートは、コンクリートの中に鉄筋が埋め込まれているものです。そうすると、鉄筋の性質とコンクリートの性質を組み合わせた強度が出ます。
本来ならコンクリートだけなら折れてしまうところでも、鉄筋コンクリートなら鉄筋の引っ張り強度が加わって、折れずに耐えることができます。
鉄筋とコンクリートのうまい組み合わせを考え出した人は、すごいと思います。
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