型枠工事いろは
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捨て型枠

捨て型枠とは、コンクリートが固まった後でも撤去せずに残したままにする型枠のことです。

捨て型枠とは

型枠工事をしたら、コンクリートを型枠の中に流し込みます。そのコンクリートが固まったら型枠を外して、壁の工事を行います。取り外された型枠は、何度か再利用されます。

ところが、型枠を設置した箇所によっては、コンクリートが固まった後でも、型枠を残したままにするところもあります。

そのような残したままにしておく型枠のことを「捨て型枠」といいます。

捨て型枠をする場所は、主に次の3箇所があります。

穴の中の柱や基礎

地面の下に柱や基礎を設置する場合は、柱を地面に差し込む方法のほかに、穴を掘ってその中に型枠を設置し、鉄筋コンクリートを構築する場合があります。

その場合には、コンクリートが固まった後は、その柱が深ければ深いほど、型枠を取り出すことはコスト的に不可能になります。

隣地との境界が狭い場合

商業地では、土地の境界ギリギリまで建物が建っている場合があります。商業地では、土地の値段が高いので、なるべく土地を有効活用しようとします。

狭い幅のビルが立ち並んでいる場所では、「どうやって壁を作ったのだろうか?」と思えるような隙間のところもあります。

そのような狭い境界の型枠工事では、型枠を撤去することが不可能な場所が出てきます。

そのような場所でも、捨て型枠が利用されます。このような施工のことを「埋め殺し」ともいわれます。

デッキプレート

デッキプレートとは、オフィスビルなどの鉄骨造の建物で利用される床です。その上にコンクリートを流し込んで、床をつくります。

このデッキプレートは、コンクリートが固まっても撤去されませんので、捨て型枠の一種だといえます。