型枠工事いろは
COLUMN
型枠工事に求められるバランス
型枠には形状を保つことと重量に耐えること、安全性が求められます。しかし、型枠は仮設物なので、強度や安全性を出しすぎてもコストが割高になります。そこで、バランスが求められます。
型枠の強度と安全性
型枠はコンクリートや人の重量に耐えて、形状を維持できるように、充分な強度が必要です。
支保工と言って、型枠を支える棒がありますが、この本数が少なかったために、コンクリートを流し込んだときに型枠が壊れてしまって、コンクリートが漏れ出すという事故があります。
スラブの強度が保てていなくて、人が乗ったときにスラブが横滑りするように移動して、そのまま下の階に人といっしょに落ちていくという事故もあります。
このように、型枠には、コンクリートを流し込んだときに形状を保つだけでなく、安全性を高めるためにも強度が必要となります。
強度とコスト
強度を出すために型枠をガチガチに固定すると良いことですが、その分だけコストがかかります。
例えば、型枠に用いる支保工の本数に応じて運送費が変動しますし、それを設置するための時間があるための工賃もかかります。支保工の本数が多ければ、それだけ工期が必要となります。かといって、支保工の本数が少なければ型枠の強度が出ません。
このように、新しい工法で効率的に型枠工事ができるようになったとしても、型枠の強度とコストは、基本的にジレンマの関係にあります。
この強度とコストのバランスを最適なところに設計するために、構造計算があります。
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